中古の楽器市場では古いピアノも需要があるほか、新しいピアノとは違った独特な鍵盤のタッチや音の響きがあることから、積極的に買取を行っている業者も存在します。そのため、40年前のピアノでも売ることは可能です。ただし、状態によっては買取を断られることもあるため、まずは買取が可能かどうか業者に相談してみることをおすすめします。
古いピアノでも買取できるかの判断基準として、「再生可能かどうか」があります。
たとえばピアノ本体に大きなヒビが入っている、すべての鍵盤の音が鳴らないなどピアノとしての機能を損失している場合は、買取を断られる可能性が高いでしょう。また、ネズミやシロアリなどによってピアノ内部が損傷している場合も、買取を断られることがあります。
そのほかの買取不可になるケースとしては、「地震や水害などの災害でピアノが損傷した」「屋外で長期間保管されていた」など。
また、ヤマハ・カワイ以外の国産ブランドのアップライトピアノについても、買取価格が付かないケースが増えているようです。
ただし、業者によっては買取ってもらえることもあるので、自己判断で買取に出すのを諦めず、ダメ元で問い合わせてみるのが良いでしょう。
ピアノの買取価格に一番影響するのが年式です。同じモデルでも年式の違いによって、買取価格に10万円もの差がつくこともあります。ピアノの年式が買取価格に影響する理由の1つは、経年とともに劣化すること。ピアノを使わなくなったときが売り時と言われるのも、ピアノの経年による劣化事情が関係しています。
ピアノの状態も買取価格に影響してくる要素です。買取後に多くのメンテナンス(修理)が必要なピアノは、メンテナンスにかかる費用分が差し引かれることで、買取価格が低くなることがあります。
ピアノの搬出状況によっても、買取価格が変わってきます。買取価格に影響するケースの例としては、「ピアノを搬出するのに大型のクレーンが必要」「階段が10段以上ある」「特殊な手吊り作業が必要」「自宅近くにトラックをとめられるスペースがない」など。これらのケースだと通常の搬出に比べて費用がかかるため、買取価格が下がることがあります。
グランドピアノの場合はピアノの上部のフタを開けると、本体内部に品番が記載されています。本体内部に調律カードが残っていれば、それに記載された内容でも確認することが可能です。アップライトピアノの場合は、ピアノ上部のフタを開けて覗き込むと、金色のフレームの右側または中央に品番が刻印されています。
事前にピアノのホコリや汚れをできるだけ拭き取っておくと買取業者に良い印象を与えられ、買取価格がアップする可能性があります。ピアノ本体の表面についたホコリは、ピアノ用の羽毛または柔らかい布で軽く払っておきましょう。本体を拭く際は市販の化学雑巾や洗剤を使用するのは避けるほか、力を入れて拭かないように注意が必要です。
鍵盤の汚れについては、クロスや柔らかい布で拭き取ります。汚れが目立つときは水や石鹸水を染み込ませて固く絞った柔らかい布で拭き取り、乾いた布で再度拭きましょう。ひび割れの原因になるアルコールやベンジン、市販の洗剤などは使用しないでください。
ピアノの椅子をはじめ、ピアノの上にかけるトップカバーや鍵盤の上に載せる布などの付属品が手元にある場合は、まとめて査定に出すと買取価格にプラスしてもらえることがあります。より高く買取ってもらいたいのであれば、査定前に探し出しておくと良いでしょう。
ピアノの外装面を掃除するのに必要なものは、柔らかい素材の外装用クロスと毛ばたき、外装用クリーナーです。毛ばたきで表面のほこりを払ったら、クロスで再度ほこりを取り払いましょう。汚れが目立つ場合は固く絞った布で軽く拭き、きれいなクロスで水気を完全に拭き取ってください。
その後、クロスに外装用クリーナーを少量含ませてピアノ全体をムラにならないようにしながら拭いたら、別のクロスでさらに磨き上げます。
ピアノの内部はピアノの音や音質に影響を与えるデリケートな場所のため、無理に自分で掃除をしようとするのは避けましょう。自分で掃除をしようとすると弦を誤って切ったり、劣化させてしまったりしかねないので、ピアノの内部をメンテナンスしたいのであれば調律師などの専門家に依頼するのがおすすめです。
ピアノの鍵盤の掃除には、鍵盤用もしくは外装用のクロス、柔らかい素材の毛ばたき、鍵盤用クリーナーを使用します。アルコールやベンジンは鍵盤を劣化させる原因になるので、使用はNGです。鍵盤の表面に水を嫌うカシュー(西洋うるし)が使用されている場合は、水拭きは避けましょう。特にヤマハやカワイ以外のメーカーで30年以上に製造されたピアノは、一部の塗装にカシューが使用されているので注意が必要です。
ピアノの鍵盤は木でできているので、濡れた布で拭いた際は水気をしっかりと取り、完全に乾燥するまでピアノのフタは開けておくようにしましょう。また、鍵盤の隙間のほこりや汚れを掃除するときは、鍵盤を強く引っ張らないようにしてください。
ピアノのペダルの掃除には、クロスや耐水ペーパー、マスキングテープ、新聞紙、ピアノ用コンパウンドを使用します。ただし、クロームメッキが使われているペダルにピアノ用コンパウンドを使用すると変色や傷の原因になるので、ペダルの掃除をする際は材質を必ず確認するようにしてください。
ペダルの掃除は、まずペダルの根本のフェルト部分をマスキングテープで覆い、水を含ませた耐水ペーパーで付着した汚れやサビを取りましょう。取り切れなかったサビはコンパウンドを付けた布で取り、コンパウンドで再度磨き上げます。
頑固なサビはタワシにコンパウンドをつけ、こすり落とします。ただし、強くこすり過ぎると細かい傷がついてしまうので、力を入れすぎないように注意が必要です。
買取を依頼する業者を選ぶ際は、信頼できる業者かどうか過去の取引実績や口コミ、業界内での評価などを調べておくことが大切です。不正確な評価や悪い口コミが多い業者は避けたほうが良いでしょう。
重量のあるピアノや通路・階段などの関係で搬出が難しい場合、特殊搬出費用が発生することがあります。業者によっては、搬出運送業者による有料の事前下見が必要になることも。そのほかにも出張費やキャンセル料などが発生することがあるため、事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
ピアノの品質や価値を適切に評価してもらうには、業者に正確な情報を提供する必要があります。業者に伝えるべき情報は以下の通りです。
業者に買取を依頼する際は、これらの情報をできる限り調べておくようにしましょう。