アトラスピアノは静岡県浜松市に本拠を置いていた、日本のピアノメーカーです。
1958年に、アトラスの前身となる「有限会社日米楽器工業所」を設立。1960年には、「アトラスピアノ製造株式会社」となりました。日本のピアノメーカーでは初めて、1961年にピアノJIS向上の認定も受けています。
1960年代から80年代にかけては、ほかのピアノメーカーを吸収合併しながら成長し、国内ではヤマハやカワイに次ぐ規模を誇ったメーカとなった実績があります。
しかし、1980年代に入ると、国内でのピアノの需要が伸び悩み、業務提携先であるブラザー工業株式会社の撤退もあって、1986年には事実上の倒産となってしまいました。
「アトラス」とはギリシャ神話の神の名前から来ていて、響板にはこの神の姿が描かれています。まるで、地球を背負っているかのような雰囲気の絵です。アトラスは、「支える者」や「耐える者」といった意味をもつ、古いヨーロッパの言語に由来します。
アトラスピアノ製造では、ほかにも多数のブランドを展開していて、「アーデルスタイン」「クロイツバッハ」「モルゲンスタイン」「スタインマイヤー」などがあります。品質には定評があり、国立音楽大学楽器研究所主任で調律師でもあった西村氏が大きく貢献したそうです。また、当時は国立音楽大学の指定工場にもなっていました。
現在では、既に製造会社はありませんが、アトラスのピアノは買取をしてもらえます。ヤマハやカワイなどと比較すると、少し買取価格が下がる傾向にあるようです。
しかし、買取価格はピアノ買取業者によって違います。もちろん、市場価格というものはありますが、価値がわかる業者であれば、それ以上の金額で買取をしてくれることもあるのです。「アトラスの音色が好き」という人がいることも確かですから、買取業者を選んで見積り依頼することが重要になります。
アトラスピアノ製造では、さまざまなブランドを出していますが、今回は主力であったアトラスブランドのピアノの種類を見ていきましょう。
アップライトタイプのピアノです。最大の特徴はピアノの本体に青森県の伝統工芸である「津軽塗り」が施されていること。津軽塗り4技法のひとつ「唐塗」という技法によって、美しい模様が描かれている希少なピアノです。
大型サイズのピアノなので、迫力がありながらも情緒のある音色が特徴です。ピアノの領域を超えて、もはや芸術品といっても過言ではありません。買取価格も、普通のピアノに比べて高めの金額を期待できることでしょう。
日本の伝統工芸による外観の芸術性と豊かな音色で、多くの人を魅了する1台です。
「花園」という、ピアノには非常に珍しい機種名がついています。「花園」の由来は、ピアノ前面に施された象嵌装飾(ぞうがんそうしょく)の花柄。象嵌とは、単一の素材に異質な素材をはめ込んで装飾する工芸方法で、世界各国で古くから親しまれています。
「花園」の装飾は、花をモチーフにした美しい図柄で、設置する室内を落ち着いた雰囲気に変化させてくれるでしょう。
「ATLAS A10」の外観は落ち着いたアンティーク仕上げ。つや消し塗装が、お部屋に置いても違和感なくインテリアのひとつにもなりそうなほどです。
サイズは高さ110cm×幅147cm×奥行き54cmと非常にコンパクト。圧迫感がなく置き場所を選ばないのが特徴です。これからピアノを始める人、気軽にピアノを楽しみたい人にもピッタリ。もちろん、鍵盤をたたけば美しい音を奏でてくれます。
「ATLAS NA706」は、アトラスピアノブランドの中でも高級機種に入ります。大型の譜面台にあるような、細部に施された高いデザイン性も魅力です。
また、アップライト型ですが、通常では使用しない「アグラフ式」を採用しています。これは、グランドピアノに採用されている弦抑えのためのパーツで、弦の長さや高さ、間隔を揃える役割を担っています。
この方式は1つひとつの音がきれいに発音することが特徴で、コストがかかってしまう高価なもの。そのためアップライト型に採用されるのは、まれです。
「ATLAS AG750」は、高さ101cm×幅149cm×奥行き175cm、重量300kg、「ヤマハC2」とほぼ同じサイズで、音のバランスもよくお手頃な機種といえます。
「ATLAS A22H」は高さ128cmと背が高めで猫脚のアップライト型ピアノです。アンダーフェルト入りの英国製ロイヤルジョージハンマーを使用。屋根のストッパーで音量調節もできます。ヤマハ、カワイにも劣らない音色が楽しめる機種だと思います。
1970年から1980年代当時、ヤマハ・カワイに次いで人気のあったアトラスピアノ。残念ながら時代の流れに逆らえず1990年代には倒産してしまいます。
しかし、妥協せずに作り上げられたピアノの価値は今でも高く、根強いファンがいるほどです。中古のピアノ市場でも人気があるので、もしアトラスのピアノが家に眠っているという場合は、ぜひ買取査定に出してみてはいかがでしょうか?思いもよらない価格になる可能性があります。
※ヤマハ、カワイ、その他メーカーにも対応
創業40年以上、埼玉県に基盤をもつ業者です。さいたま市、所沢市、草加市に計3店舗のショールームを展開。実店舗があることで、スタッフの顔が見える安心感や、サービス業として接客対応が高く信頼できるなど、口コミ評判からもうかがい知れます。
月間買取台数は1,500台(2023年9月調査時点)、年間換算で18,000台に及んでいます。ピアノ買取→修理・修繕→自社で中古販売という流れで中間マージンをカット。常に、中古ピアノ市場の動向、人気のメーカーと機種、取引実績などを照らし合わせたうえで査定を算出。高値買取を実現しています。そうした企業努力が、月間1,500台という数字に現われています。