エテルナというピアノブランドを聞いたことがある方は、少ないかもしれません。現在は存在しない「天龍楽器製造株式会社」という企業が製作していたピアノブランドです。
天龍楽器製造株式会社はギターの製造でも有名で、1954年8月には「ダイナミックター」を試作。その後、量産化にも成功したため、楽器製造の企業として大きく躍進したと言われています。
1962年11月に、天龍楽器製造は株式上場を果たしています。時代は高度成長期の真っ只中でしたから、ギター、ピアノは生産すれば売れていくという状態だったそうです。上流の家庭のみならず、中流家庭にもクラシックが浸透し、ピアノ教室もたくさんあったと言われています。
そのころから楽器製造で有名な企業だったYAMAHAは、天龍楽器製造のギターづくりの技術を信頼して、YAMAHA製のギターとして市場に投入しています。
1960年代、日本の好景気は長く継続して、楽器の売上も好調だったYAMAHAは、技術を持った楽器メーカーを次々と傘下に入れ始めました。天龍楽器製造は楽器づくりのノウハウを多数持っている企業でしたから、YAMAHAの吸収合併のターゲットとなり、1969年11月に傘下に入ります。
経緯はあまりわかりませんが、合併した後もしばらくは「エテルナ」というブランドのピアノがあったようです。銘盤に「天竜楽器・エテルナ」、そしてシールで「YAMAHA(JISマークつき)」と記載されたピアノが確認されています。
エテルナのピアノの特徴は、現在のYAMAHA製ピアノにも受け継がれていて、両者とも音質がよく、頑丈な作りをしていると言われています。
天龍楽器製造がYAMAHAと合併したのが1969年、2020年現在から考えると、約50年も前のことになります。そのため、ブランド名の「エテルナ」は、一般の人がほとんど知らない名称となってしまいました。
音質や作りなどは、YAMAHA製とほとんど同じといってよいのですが、買取のときにはブランド名が異なるため、買取価格は低くなってしまう傾向にあります。しかし、本当に中古ピアノに詳しい業者であれば、エテルナのことを知っているはずですから、数社に査定をお願いすれば相応の価格が出てくる可能性もあります。
エテルナピアノを売りたい・処分したいと考えている人は、地域の買取業者・買取楽器店を確認しましょう。当サイトでは、各社の特徴や店舗情報をまとめていますが、業者によっては「処分するしかない」「引き取りに費用がかかる」ケースもあり、買取不可と言われても別の業者なら値段が付くケースもあります。どのような業者がいるのか、どのようなケースがあり得るのかを把握したうえで問い合わせることで、お得にピアノを処分することができるでしょう。
「ETERNA G430」のサイズは高さ101cm×幅148cm×奥行き170cm、重量は305kgです。非常にコンパクトな躯体のグランドピアノで、後に合併するYAMAHAの「C2X」とほぼ同じサイズとなっています。グランドピアノではありますがコンパクトですから、少し狭目のホールや個人経営のレストランなどにも設置できるでしょう。
「ETERNA 1」は高さ121cm×幅151cm×奥行き61cm、重量は217kgです。ピアノを弾く楽しさを演出してくれる美しいフォルムが特徴。その一方では本格的な演奏が楽しめる特徴も併せ持っています。
華やかな高音の響き、中音域でも厚みのある音が爽快な演奏感を醸し出してくれます。低音域では重厚な響きがある種の迫力となって聞く人を魅了するでしょう。全体的に音のバランスが優れているので、初心者にもピッタリです。
「ETERNA E1A」のサイズは高さ121cm×間口150cm×奥行61cmのアップライト型ピアノです。YAMAHAの「U1A」と同等のサイズとなっています。黒色のカラーとスリムなフォルムは、スタンダードなアップライトといった感じで、誰にでも弾けて、どこに置いてもしっくりとくる機種だと思います。エテルナとい名称のため、YAMAHAのものよりも入手しやすい価格であることが多いようです。
今ではなくなってしまった天龍楽器製造によって作られたエテルナピアノ。しかし、その技術は現在、YAMAHAに受け継がれています。エテルナピアノは本物の木材を使用して作られただけあって、品質が高く今でも人気のあるピアノです。音もYAMAHAのピアノと比べても遜色ありません。家にエテルナピアノが眠っているという場合は、買取に出してみてはいかがでしょうか。知る人ぞ知るメーカーのため、よりピアノに詳しい買い取り業者を選ぶのがおすすめです。
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