ピアノと聞いて、どのようなピアノを思い浮かべますか?多くの場合、黒塗りのグランドピアノがホールに置かれている情景や、もしピアノを持っている方は自分のピアノを思い浮かべるかもしれませんね。大抵の場合、黒色のピアノを思い浮かべた方が多いんじゃないでしょうか。ピアノの色は実は本来は黒ではありませんでした。また、鍵盤の色も白を基調とした鍵盤に黒の鍵盤が数個あるイメージがあるのではないでしょうか。ここではそういったイメージを覆すようなピアノの色に関する成り立ちについて説明します。
鍵盤の色は白を基調としており、黒の鍵盤が数個ずつあるというのが一般的です。しかしながら、そういったピアノの鍵盤の色とは異なる色をしたピアノが存在するのです。
ピアノが開発された当時、ピアノの鍵盤の色は今と同じ白と黒の配色でした。しかしながら、今とは違い鍵盤は木でできていたため、色が変色し、使っているうちに茶色へと変色したそうです。特に白の鍵盤はよく弾くため色の変色が激しかったそうです。そこで、白と黒を入れ替えたピアノが作られました。これは木で作られていた白の鍵盤を象牙で作るにあたって、白の象牙を使う場所を少なくするとう経済的な側面や白の鍵盤の重さを軽くするという理由もあったようですが、しかしながらあまりにも色がそれまでと違うこと、そして象牙をたっぷりと使う富裕層からの要望などもあり、今の白と黒の配色へと戻りました。ピアノは開発されてから様々な紆余曲折を経て今の形へと落ち着いたようです。
外装の色は黒というイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかしながら、ヨーロッパで使われているピアノは木目調のものも多いです。黒に塗られるようになったのには実は日本が関係しているという噂があります。
日本には1800年代初期にドイツ人医師の手によってピアノが初めて持ち込まれました。以降ピアノは日本でも人気となり、多くのピアノが持ち込まれ広まります。しかしながら、日本ではヨーロッパと比べて雨も多く、湿気が多いため木目調のピアノは合いませんでした。そこでピアノの色を漆で黒く塗ったことが始まりと言われています。真偽のほどは分かりませんが、それ以降は黒のピアノが一般的となったと言われています。