多くの作曲家を輩出したウィーンで、1828年に設立されたメーカー「ベーゼンドルファー社」が手がけるピアノです。ベーゼンドルファーは「スタインウェイ」と「ベヒシュタイン」に並ぶ世界三大ピアノメーカーの一つ。作曲家やピアニストのアドバイスを取り入れ、何度も改良を重ねて生み出された美しい音色は「ウィンナー・トーン」と呼ばれ、ベーゼンドルファーの代名詞となっています。
ベーゼンドルファーピアノは、鍵盤を叩いた後の音の伸びが長く、クラシックはもちろん、ジャズやポップスなど幅広いジャンルに対応できる、柔らかく多彩な音色が特徴です。
ベーゼンドルファーピアノは、オーストリアの工場で1台1台作られていますが、木材を乾燥させる期間を合わせると、ピアノ1台が完成するまでにかかる年数は約6年。使われる木材は80%以上が、オーストリア・アルプスで育った、木目の美しい密度の高いスプルース材です。その構造にも大きな特徴があり、一般のピアノのように響板で音を鳴らすのではなく、響板と同じ板を側面にも使用し、ピアノ全体で音が鳴るように設計されています。
また、一般的なピアノの場合は、中高音部分の弦をヒッチピンでUターンさせて張られますが、ベーゼンドルファーピアノの弦は「総一本張り」と呼ばれる張弦方式で張られているため、調律が安定しやすく、純粋な響きや音階が実現できます。さらに、低音弦は熟練の職人がすべて手巻きで製作。手間をかけて制作される分、音色に違いが生まれます。
ベーゼンドルファーのグランドピアノでは、音色だけでなく見た目も美しく個性的なデザインの「コレクターシリーズ」も数多く展開されています。
ベーゼンドルファーは190年以上の長い歴史を持つメーカーですが、今日までに製造されたピアノの台数は5万台程度。日本でも入手困難なモデルが多く、それだけ希少価値が高いため、買取額には期待が持てるでしょう。
ベーゼンドルファーピアノを売りたい・処分したいと考えている人は、地域の買取業者・買取楽器店を確認しましょう。当サイトでは、各社の特徴や店舗情報をまとめていますが、業者によっては「処分するしかない」「引き取りに費用がかかる」ケースもあり、買取不可と言われても別の業者なら値段が付くケースもあります。どのような業者がいるのか、どのようなケースがあり得るのかを把握したうえで問い合わせることで、お得にピアノを処分することができるでしょう。
コンサートにも対応できる、92鍵盤を備えたセミコンサートモデルのグランドピアノ255。サイズは高さ102cm×横幅159cm×奥行き225cm、重量419kgです。響板面積が広く設けられているため、幅広い音量・音域にて多彩な音色を奏でられます。
エレガントなフォルムで、ベーゼンドルファーピアノの中でも特に人気の高いモデルが、この200。サイズは高さ102cm×横幅151cm×奥行き200cm、重量353kgです。ベーゼンドルファーならではの歌うような「サスティングトーン」が、低音から高音まで全ての音域を調和させます。
明るい高音部と、「エクストラベース」と呼ばれる低音部の長3度低いFまで拡張された、92鍵盤を持つモデル275。サイズは高さ102cm×横幅156cm×奥行き275cm、重量430kgです。ウィーンホールでも使われており、強靭なタッチで有名な作曲家「フランツ・リスト」の演奏に耐えたとされるモデルです。
オーケストラのようなサウンドを実現する、ウィンナー・トーンを持つベーゼンドルファーピアノ。手作業によって長い年数をかけて作られるため、世界への普及率も低く、希少価値はかなり高いブランドです。
モデルによっても買取額は変わってきますが、その希少性ゆえ、高値で買い取ってもらえる可能性は高いでしょう。
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