3本あるペダルの中で最もよく使われるペダルで、フォルテペダルやサスティニングペダルなどとも呼ばれています。このペダルにはピアノの弦振動を止める役割があり、音を伸ばす時に使用するのが特徴です。
鍵盤から指を離すとダンパーが弦を押さえるため、演奏音が止まります。しかし、ラウドペダルを踏むと、指を鍵盤から離してもダンパーは戻らず弦振動はそのまま続くため、音は伸び続けるのです。
この時、全ての弦が解放された状態になるので、弾いていない弦の共鳴音も加わって豊かな響きになります。ただし、踏み続けると音が濁ってしまうなど、ペダリングの技術が求められるペダルでもあります。
ラウドペダルが音の伸びをつかさどるペダルであるのに対し、ソフトペダルは音の響きを抑えるためのものです。
ペダル仕組みはグランドピアノとアップライトピアノとで異なり、グランドピアノの場合はソフトペダルを踏むことですべての鍵盤が右に動く作りになっています。ピアノは2~3本の弦で1つの音を鳴らしており、鍵盤をずらすことで叩く弦の数が減るため、そのぶん音の響きが弱くなるのです。なお、音量が小さくなるのと同時に、音色も少し変化します。
アップライトピアノは鍵盤をずらすのではなく、鍵盤とハンマーの位置を縮めることで鍵盤を弾く威力を弱めているのが特徴です。
ソステヌートペダルはグランドピアノに付けられており、ラウドペダルやソフトペダルほど活躍の場がありません。ピアノが弾ける人でも、「試しに踏んでも違いが分からない」「使い方を知らない」という方は多いのではないでしょうか。
そんなソステヌートペダルには、伸ばしたい音だけを伸ばす機能が搭載されています。ラウドペダルはすべての音を伸ばしますが、こちらは踏んだ時に弾いていた音だけを伸ばすことが可能です。
鍵盤から指を離しても特定の音だけを鳴らし続けられますが、このペダルを使う楽曲は少ないので、活用する機会はほとんどないかもしれません。
アップライトピアノに付けられており、踏むことで弦とハンマーの間にフェルトが入り、弱音状態になるのが特徴です。音を弱めたい部分で踏むのはもちろん、踏んでからペダルをスライドさせることで固定も可能で、足を離しても踏みっぱなしの状態を維持できます。集合住宅などで演奏音が気になる場合などに有効活用できるでしょう。