本ページでは、ピアノの代表機種であるグランドピアノについて、各種の情報をおさらいしながら、買取相場についてもご紹介していきたいと思います。
グランドピアノとは、地面と水平に弦が張られ、本体もそれに沿って水平方向に配されている特徴を持つ、「ピアノ」の代名詞とも呼べる機種です。
機種やメーカーにもよりますが、プロが演奏会などで使用する「コンサート・グランド」という全長3m前後のフルサイズのものから、学校の講堂や音楽室などで用いられる全長2m前後の「パーラー・グランド」、そしてさらに小さい「ベビー・グランド」というタイプも存在しています。
一般的には、ピアノ本体のサイズが大きいほどに音色はよくなるとされており、より高価になっていきます。それこそアップライトピアノと比べると、音色や響きは格段に違い、構造的にもプロのピアニストの高度な演奏技法に対応できるようになっています。
一方で、楽器としては非常に大型となるため、広い設置スペースが必要となります。また、調律・調整にもより高度な技術が必要となり、それらの費用もより高額になります。
こうした理由により、どちらかと言えば一般家庭向けではなく、施設や学校といった場所で導入されているケースが大半。あるいはプロの音楽家やそれに準ずる方などが、自宅に導入しているというケースがほとんどになります。
そうした特性ゆえに、買取相場についても当然ながらアップライトピアノよりは高価になる傾向があります。もちろん機種や年式、状態などによって差は出ます。
例えば国内2大メーカーであるヤマハないしカワイ製であれば、最も安いケースでも10万円程度、平均的なもので20万円~30万円程度、希少価値やプレミア価値がある機種なら60万円~80万円といったこともありえます。
一方、比較的希少なヤマハ・カワイ以外のメーカーについては、付加価値がつくこともあれば、買取業者が不慣れであることを理由に、買取不可としてしまうこともあるようです。
ヤマハ・カワイの場合でもそうですが、より多くの買取業者に査定を依頼することが望ましいと言えます。
国内ピアノメーカーの中でもシェア率の高いヤマハのグランドピアノシリーズ。特に主力であるCシリーズは、製造年代が新しいグランドピアノであれば高値で取引されています。状態が良いグランドピアノは100万円以上で買取されるケースもあります。
シリーズごとの買取価格の目安は下記の通りです。
ヤマハのグランドピアノの特徴と詳しい買取相場を知りたい方はこちらをどうぞ。
国内のピアノメーカーとして、ヤマハと同様にトップクラスを歩むカワイ(KAWAI)ですが、グランドピアノについては需要がやや低めとなるため買取価格も若干低めです。シリーズごとの買取価格目安は下記の通りです。
カワイのグランドピアノの特徴と詳しい買取相場を知りたい方はこちらをご覧ください。
海外ピアノメーカーの中でも一流と言われる「スタインウェイ&サンズ」「ベヒシュタイン」「ベーゼンドルファー」の世界三大ピアノブランドは、プロのピアニストに選ばれているメーカーです。
2000年代に製造されたピアノは、傷が多少あっても100万円台で買取されているほど高値となっています。調律とメンテナンスがされたグランドピアノであれば、200万円以上の価格も付きます。
その他メーカーのグランドピアノの買取相場
についてもっと詳しく
ピアノ買取業者から買取ができないと言われるピアノは、次のような状態である可能性があります。
グランドピアノの表面に付いた擦り傷など、日常の使用の中で付く程度の傷の場合は買取可能ですが、木肌が見える深い傷や、シロアリやネズミによる損傷、パーツの破損があり修復が難しい場合などは買取不可になる可能性があります。
長らく使用していないグランドピアノは、表面上は問題がなくても、開けてみると内部に湿気がこもってカビが生えているケースなどもあります。ピアノを現在使用していなくても、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
音が出ないグランドピアノの場合、その原因と修復が比較的簡単であるかどうかによって買取可能か否かが分かれます。例えばサビが原因の場合や、一部のパーツの破損によって音が出ない場合は、修理が難しくないため買取してくれる業者も多いでしょう。
しかしネズミなどの害虫によって内部が大きく破損・損傷している場合は、買取を不可とする業者の方が多くなります。業者によってはそういったグランドピアノでも低額の査定やゼロ円で引取りをしている場合があるため、劣化や不調の原因を特定したうえで、念のため問い合わせてみるのがオススメです。
ピアノの買取業者は多く存在します。その中でも、ピアノ買取でのよく聞くトラブルとして「出張費用を別途支給された」あるいは「査定料金から勝手に引かれた(事前に説明されなかった)」という内容が挙げられます。
ピアノ買取業者によっては、ピアノを引き取るための運送費や運び出し費用を別途請求することがあります。また、ピアノを引き取る場所がマンションの高層階など難しいケースのみ別途請求があるケースも。
本来であれば業者の側から説明すべき内容ですが、買取後のトラブルを避けるためにも、事前に「運送費や運び出し費が受け取った査定金額に含まれているかどうか」を確認するようにしましょう。また、その旨を口約束ではなくメールや見積書などの文章に残るようにしておくことがオススメです。
大切なピアノをできるだけ高く売るためにも、売却を依頼する際は以下の点に注意するようにしましょう。
ピアノの状態によって査定額が決まります。たとえ使用していなくても、できるだけ良い状態を保つよう日頃から心掛けると良いでしょう。例えば定期的に調律を依頼する、直射日光や高温多湿の場所は避ける、鍵盤やピアノの表面を掃除するなどです。使っていない時は専用のカバーをかけて、ホコリやキズが付かないようにしておきましょう。
どうせ売るのであれば、需要が高まる時期に買い取ってもらう手もあります。
ピアノの市場が動くタイミングとしては、高価なプレゼントが喜ばれるクリスマス時期と入学や進学、引っ越しが多い2月~3月頃と言われています。販売のピークに合わせて売却すれば、他の時期と比べて若干高く売れるかもしれません。
使わないグランドピアノは、少しでも早く売ることをおすすめします。定期的な調律が必要なピアノは、放置する期間が長いほど調律は狂い経年劣化も進みます。演奏する予定のないピアノであれば、状態の良い時に手放し、ピアノを必要とする新たな演奏者に渡るように早めに買い取ってもらいましょう。
グランドピアノの保証書やグランドピアノ用のカバー、パーツなどの付属品があれば、まとめて査定してもらいましょう。グランドピアノ単独よりも買取価格が上がる可能性があります。
ピアノ買取は、大抵の業者は訪問査定する前に売り手に対して幾つかの質問事項をして大まかな見積もりを提示してくれます。質問内容は「ピアノのメーカー・品番・製造番号・ペダルの本数・ピアノの状態」などです。中には最後に調律した時期などを質問されることもあるかもしれません。
これらの質問事項に備えて、査定依頼をするときは自宅のピアノの下調べをして正確に詳細を伝えるようにしましょう。
不具合があるのに事前申告をしない場合、当日判明することになるわけですから、買取価格が当初より低くなってしまいます。お互い不信感を抱くことにならないよう、ピアノの情報は正確に伝えましょう。