こちらでは、ピアノの消音ユニットについて説明しています。ご近所への気遣いが必要な場合などには便利な装置ですが、デメリットも知っておく必要があります。査定への影響の有無についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
自由に音を出してピアノを弾くのが難しい環境にいる方にとって、とても便利なアイテムであるピアノの消音ユニット。アップライトピアノなどに設置することで、電子ピアノと同じように、ヘッドフォンから音を聞きながらピアノを弾くことができます。
日中であれば音を出して弾いても問題ない、という方もいるでしょう。その場合には、日中の時間帯にはヘッドフォンを用いずにアコースティックピアノとして演奏する、という使い方も可能です。
消音ユニットは、どのような原理で機能するのでしょうか。ここでは、仕組みについて紹介していきます。
【音量調整】
鍵盤下に取り付けられているセンサーが、鍵盤が弾かれたスピードや強さを感知し、アンプの音量を調節します。ヘッドフォンからは、その調節されたアンプ音が聞こえてくるわけです。
【シャンクの衝撃を弱める】
センサーの働きのみでは、弦がハンマーで直に叩かれることに変わりがないため、ピアノが鳴ってしまいます。ではどのような仕掛けがされているかというと、音が鳴るのを防ぐために、金属のバーにフェルトを貼りつけて、シャンクの衝撃が緩和されるようになっているのです。つまり、フェルトをシャンクで叩くことになるわけです。
ヘッドフォンやスピーカーで電子音を聞く一般的なサイレントピアノとは異なり、トランスアコースティックピアノの場合は、ピアノの響板を鳴らすようになっています。そのほかの仕組みは同じです。
フェルトが貼られている部分を叩く構造になっているため、鍵盤のタッチに違和感が生じます。また、ハンマーの接近を広めに取っているので、消音ユニットを使わずにピアノを弾く時もタッチが重くなり、音がややぼやけた感じになります。
消音ユニット付きであれば査定額が上がりやすいように思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。電子部品の一般的な寿命がそれほど長くなく、故障のリスクも高いからです。消音装置を使うときに必要になるアダプターがない場合には、減額となってしまう可能性もあります。