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ピアノの響板はなぜ木材が使われている?

ピアノの響板とは

ピアノの響板(きょうばん)は、ピアノの音を大きくしたり、豊かに響かせるための音響の要となるパーツです。

場所はピアノの種類によって異なっており、グランドピアノではフレームの下にあり、横向きに広がっています。一方、アップライトピアノではフレームの奥にあって、縦向きに立っているのが特徴です。

響板が音を出す仕組みは、まず鍵盤を押すところから始まります。すると、その奥にあるハンマーが動いて、ピアノの弦を下から打ちます。このとき弦が振動すると、その振動は「駒」という部品を通じて響板に伝わります。響板に振動が届くと、今度はその響板自体が空気を振動させて、より大きく豊かな音が生まれるのです。

つまり、響板は弦の音をそのままにせず、大きく響かせてくれる拡声器のような役割をしています。ピアノの音がホールいっぱいに広がるのは、この響板のおかげといえるでしょう。

アップライトピアノとグランドピアノの音の違いは響板の影響もある

アップライトピアノとグランドピアノは、どちらも同じ「ピアノ」という楽器に分類されますが、その音の出方には明確な違いがあります。こうした違いは、楽器の構造や大きさのほか、響板の特徴によっても生じます。

グランドピアノはボディ全体が大きく作られており、その中に広い面積の響板が水平に設置されています。この広い響板がよく振動することで、豊かで力強い音を出すことができます。音の強弱(ダイナミクス)も幅広く表現でき、繊細な音から力強いフォルテまで、演奏者の意図を反映しやすいのが特徴です。

一方で、アップライトピアノは、家庭や学校など限られたスペースでも使いやすいようにコンパクトに設計されており、その分響板も縦に設置されていて振動する面積が狭くなっています。響板の振動が制限されることで、グランドピアノと比べて音量に限界があり、音の強弱の幅もやや小さくなるのです。

木材以外の響板はある?

現在のピアノに使われている響板の素材は、基本的にすべて木材です。技術の進歩が進む中でも、木材以外の素材で響板を作る試みはされてきましたが、今のところ実用化には至っていません。

木材が優れているのは、縦方向と横方向で性質が異なる「異方性」を持っているからです。この特性が、音を効率よく響かせるうえで非常に重要とされています。異方性を人工的に再現するためには、例えば炭素繊維やガラス繊維を樹脂で固めた複合材料、いわゆるFRPが有効と考えられています。

しかし、FRPには大きな課題があります。そのままだと素材が重すぎて響板に適さないため、樹脂を発泡させて軽くする必要があります。しかしそうすると今度は材料がもろくなってしまうのです。また、響板はときにバイオリンのようなわずかに曲がった形状を求められる場合があり、そのような形をFRPで作ろうとすると加工が非常に大変でコストも高くついてしまうでしょう。、

木材のように手作業で細かく調整することもできないため、楽器としての最終的な音質調整が難しくな流転も加工が困難となる理由です。

楽器に使う材料では、「一つの優れた性質」だけでは足りません。音の響きや強度、加工のしやすさなど、多くの要素のバランスが重要です。その点、木材は適度な強さと軽さ、異方性、そして微調整のしやすさをすべて備えているため、現時点では最も優れた響板素材とされています。

新しい素材を開発するよりも、すでに自然の中にあるさまざまな木材の中から、響板にふさわしいものを選び抜く方が、理にかなっているのです。

もし中古でピアノを買う場合は響板に注意

ピアノを中古で購入する際には、内部の響板の状態に特に注意が必要です。響板はピアノの音を豊かに響かせるための重要な部品であり、その素材や構造が音質に大きく影響します。

響板に問題があると、ピアノから意図しない雑音が出たり、あるいは一部の鍵盤を弾いてもきちんと響かない、といった症状が現れます。これは、響板が本来のように振動しなくなっていることが原因です。

こうした欠陥を見抜くには、実際にピアノを演奏してみることが不可欠。中古ピアノを選ぶときは、信頼できる店舗で必ず「試弾」してみるとよいでしょう。

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